認定司書事業委員会

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認定司書への道

認定司書への道 第3回 論文の書き方(その2) -文章の構成法-

日本図書館協会認定司書事業委員会

全体のアウトラインを考える

 「論文」というからには,論理的な文章の展開になっていて,読む人が多少なりとも納得できることが求められます。そのため,論文を書き始める前に全体のアウトライン(あらすじ)を考えて,論理の運びを確認することが重要です。一般に「起承転結」と呼ばれる構成法は漢詩の作法ですが,論文を書く場合にも応用できます。

 「起」でテーマ設定(問いのたて方)について説明することから書き始めるのが一般的です。職場の状況や自分自身の問題意識から,そのテーマを取り上げる意義を述べます。実務に関わる現場の司書が書く論文であれば,たまたま今,図書館界でこの問題が関心を集めているから,という単純な動機でも良いでしょう。

 次に「承」で,そのテーマがこれまでどのように受け止められ,扱われてきたのかを,少し周囲を見渡しながら展開していきます。ここでは,これまでに発表された文献や資料を探して,問題の所在を再確認することも有効です。これで論文を書く人の「立ち位置」も明確になります。

 そして,「転」で自分自身の経験や論理にもとづいて,テーマとして掲げた「問い」への「答え」を導き出していくことになります。その際に,独自に実施した調査や作成したデータによる裏づけがあると,より説得力が増します。

 最後に「結」で,自分の意見や結論を要領よくまとめ,読む人に伝えたいことがわかるようにします。場合によっては,今後に残された課題を挙げても良いでしょう。ただし,これは模範的な流れを説明したもので,これに従っていないと審査会が認定しない,というわけではありません。要は,問いのたて方が明確で,それに対する自分の考えがわかりやすく書かれていれば良いのです。 
 

接続表現をうまく使う

 前回の連載でも触れましたが,論文に求められる要件のひとつに“文章に論理的な整合性がある”ことが挙げられています。事実と論理にもとづいて,意見や考えを展開していけば良いのですが,日頃からこのように書く習慣を身に付けていないと,なかなか難しいものです。ですが,これを簡便に行う方法は,文章中で用いる接続表現をうまく使うことです。

 例えば,順接の接続語として,したがって,そして,だから,ゆえに,…ので,等があります。また,逆接には,しかし,ところが,だが,…であるが,等が用いられます。さらに,言い換えや要約の場合には,すなわち,つまり,要するに,といった接続表現がとられます。こうした接続表現は,前の文章とそれに続く後の文章の関係を明確にしますから,これらを適切に使い分けることで,文章相互の論理関係がはっきりしてきます。

 

自分の意見と他人の意見を区別する

 読み手に自分の意見をうまく伝えるには,文献やウェブサイトなどを読んで知った他人の意見や事実と,自分の独自の意見とを区別して書くことがきわめて重要です。他人の論説を,自分の意見や主張の拠り所として引用する場合にも,そのことがはっきりと分かるよう,区別して書かなければいけません。こうした「論文の作法」を説いた解説書もいろいろありますから,図書館で探して活用してください。

 もちろん,職場の上司や知り合いのベテラン司書に読んでもらったり,図書館関係の専門誌に投稿し査読(審査)を受けたりすることで,優れた論文に仕上げていくのも良いでしょう。社会人を対象にした大学院などに通えば,論文の書き方の指導を受けることもできます。

 

[NDC9:816.5 BSH:論文作法]

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